居抜き物件にはない軽量鉄骨の魅力

思い通りに設計できる自由度

居抜き物件の最大のネックは、既存の間取りや構造に縛られることにある。元の業種に合わせた造作や動線がそのまま残っており、自社の事業形態に合った配置へ変更するには、解体や補修に手間がかかる。

一方、軽量鉄骨を用いた建築は、敷地条件と用途に応じて一から設計できるため、設備配置や空間設計の自由度が格段に高い。例えば、倉庫であれば高天井と無柱空間、オフィスであれば開放感ある執務スペースの確保や動線分離など、目的に合った構成が実現可能だ。さらに、建築段階から拡張性や将来の使い勝手を考慮できる点も、新築ならではの大きな利点といえる。

耐震性・耐久性で将来も安心

中古物件の多くは築年数が経過しており、現行の耐震基準に適合していない場合もある。そのことにより、使用開始後に耐震補強が必要となれば、予算やスケジュールに大きな影響を及ぼしかねない。一方、軽量鉄骨構造は、現在の法規制に則った設計がなされるため、安全性が高い。構造体は軽量でありながら強度に優れ、地震時の揺れを効果的に分散させる性能を持つ。また、錆や劣化に強い防錆処理や、防水・断熱対策が施工段階で施されることで、長期的な耐用性と維持管理の容易さが兼ね備えられている。これにより、メンテナンスコストも抑えられ、安定した事業運営が可能となる。

コストの見通しが立てやすい

居抜き物件では、入居後に想定外の補修や設備更新が必要になることも少なくない。特に、水回りや電気設備・断熱性能といったインフラ部分の状態は、契約前に把握しきれないケースも多い。その点、新築の軽量鉄骨建築では、使用する建材や設備を選定する段階から関与できるため、初期費用・運用費用ともに透明性が高く、予算管理がしやすい。

更に、進歩した省エネ性能の高い空調設備や断熱材を採用すれば、光熱費の抑制にもつながり、長期的に見た場合のトータルコストにも差が出る。また、リース対応や固定資産計上といった財務上の計画も立てやすく、経営上のメリットも大きい。

狭小地や変形地でも活きる柔軟性

京都のような都市部では、建築可能な土地が限られており、狭小地や変形地への対応力が問われることとなる。その点でも、軽量鉄骨はフレキシブルな設計が可能で、敷地形状に合わせた建築プランが立てやすい。例えば、縦長の敷地でも効率良く動線が確保できるほか、容積率を意識した2階建てや3階建ての構成も容易となる。

また、物流拠点や医療施設・アトリエなど、多用途な設計に対応しやすいことも利点の一つとなる。将来的に、テナント対応や売却を視野に入れている場合でも、フレキシブルな構成は大きな武器となる。最終的に「選べる建築」が選択できるという点で、軽量鉄骨は戦略的な選択肢といえるだろう。

2025年7月の新築物件