軽量鉄骨を活用したダブルワーク
副業を加速させるスピード建築
テレワークの普及で、本業の合間に自らのショップやスタジオを運営する「ダブルワーク型」ワークプレイスが注目されている。こうした拠点に軽量鉄骨造が選ばれる最大の理由は工期の短さだ。部材を工場で先行生産し、現場ではボルト締め主体で組み立てるため、延床約70㎡の箱型オフィスなら基礎着工からおよそ90日で稼働が可能。資金回収サイクルを早められるうえ、事業アイデアが熱いうちに市場投入できる。現場溶接がほとんどなく騒音や火花も少ないため、住宅地近接敷地でも近隣調整が容易だ。
昼はスタジオ、夜はピッキングライン
鋼材の高い強度を生かし長スパンを確保できるため、柱のない大空間を自在に区切って用途を切り替えられる。自然光を取り込むハイサイドライトと遮熱折板屋根を組み合わせれば、日中は撮影・配信ブースとして、夜間はEC商品のピッキングゾーンとして活用が可能だ。床荷重1.5t/㎡仕様でも躯体自重は鉄筋コンクリート造の約3分の2に抑えられ、物流規模の拡大に合わせてマテハン機器を増設しても基礎補強を追加せずに済む。さらにCFT柱を採用すれば部材断面を絞りつつ耐火性能を確保でき、内部をより広く使える。
ランニングコストと環境負荷を同時に削減
軽い躯体は断熱改修が容易で、壁内に高密度ウレタンを後充填するだけでUA値0.45W/㎡K程度へ改善できる。これにより年間冷暖房費を約15%圧縮。DALI対応LEDと人感センサーで照度を自動制御すれば、夜間作業に伴う電力増を抑えられる。梁や屋根パネルに設置したIoTセンサーで応力・温湿度を常時モニタリングし、異常検知時に予防補修を行う仕組みを導入すれば、長期的な修繕費も約3割削減できるという試算がある。屋根上に太陽光パネルを載せ自家消費すれば、環境価値取引の非化石証書で追加収益も狙え、ダブルワークの収益源が一段と多様化する。
京都圏で活きるコンパクト物流網
府南部の準工業地域は名神・京滋バイパスに至近で、大阪湾岸や滋賀のECハブと60分圏で結ばれる。鋼材加工業者や板金ファブが半径30km圏内に集積しているため資材輸送コストが低く、地域一括発注によるスケールメリットで坪単価を約1万円下げる事例も報告されている。軟弱地盤が散在するエリアでも建物重量が軽い軽量鉄骨造なら基礎補強を簡素化でき、総事業費の圧縮が可能。起業家や中小企業が複線的に事業を展開するうえで、費用対効果の高いインフラとして支持を集めている。
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